【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第156章 ◇第百五十五話◇始まりの場所で愛を誓う(下)【運命の決戦編】
「あの日、私はリヴァイ兵長が好きだって、気づいたんです。」
真っすぐにリヴァイ兵長を見つめながら言えば、夜空を見上げていた瞳がゆっくりと見開いていった。
思ってもいなかった告白だったのだろう。
あの日の私も、それを伝える日が来るとは思っていなかった。
「リヴァイ兵長と一緒にいて、ドキドキして、もうそれは絶対に恋に違いなくて。
あぁもうなんで、よりによってって、最悪だって思いました。」
「あぁ…、だから…。が、急に俺を避けだしたのはそのせいか。」
リヴァイ兵長は納得したように言うと、口元に苦笑を混ぜてから続ける。
「俺はそのせいで、自覚するしかなくなった。」
「自覚?」
「よりによって最悪に面倒くさそうな女に惚れてるって自覚だ。」
リヴァイ兵長が意地悪く言う。
さっきの私への仕返しか。
本気混じりの冗談にも愛を感じてしまう私はきっと重症だ。
「めんどくさくないイイ女だって気づいてくれてよかったです。」
「いいや、やっぱりお前は面倒くせぇ女だった。」
リヴァイ兵長はそう言うと、私の方を向いた。
苦笑している唇に反して、瞳はとても優しい。
「他の女ならなかったことに出来たはずなのに、
気づいたらプロポーズまでしちまってる。
深みにハマりすぎて、もう抜け出せそうにねぇ。」
「じゃあ、私にとってもリヴァイ兵長は面倒くさい男ですよ。」
「そりゃいいな。」
リヴァイ兵長の口元が満足気に薄い弧を描いた。
抱き寄せられて、唇を重ねる。
そっと唇が離れれば、私はリヴァイ兵長を抱きしめた。
「プロポーズ、嬉しかったです。すごく…。」
「あぁ、知ってる。」
優しい声が、私の気持ちなんて全てお見通しだって声が、とても安心する。
世界は今、混乱の渦の真ん中にいる。
それでも今このときだけは、世界中の全てが幸せに満ち溢れているように感じられた。
だって、夜空に輝く満天の星達が、私達の未来を祝福してくれていたからー。