【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第154章 ◇第百五十三話◇苦難を、幸せと呼んだから【運命の決戦編】
早朝から墓地に出ていた私とリヴァイ兵長が兵舎に戻ってきたのは、ちょうどお昼の時間だった。
食堂では、調査兵達が賑やかに食事を楽しんでいる。
「おかえりなさい。」
隣の席が空いていると声をかけてくれたのはアルミンだった。
104期の調査兵達が一緒に食事をしているテーブルにお邪魔させてもらい、私とリヴァイ兵長も席に着く。
「あれ?コニーは?」
今日は、明日からの訓練や壁外任務に向けた調整日で、調査兵達はみんな休みだった。
でも、いつものメンバーにコニーがいないことに気づき訊ねると、サシャが悲しそうに目を伏せた。
ジャンも少しだけ眉を顰めたし、エレンもミカサも、みんなどこか浮かない表情になった。
答えてくれたのは、アルミンだった。
「ラガコ村へ行きました。何か分かることがあるかもしれないからって。」
「そっか…。」
浮かない表情の彼らの理由に納得し、私も僅かに目を伏せる。
調査兵団に帰ってきてから、私も知ってしまった巨人の正体。
そして、コニーの村で起きた悲劇。
あのとき、私がミケ分隊長達と一緒になって必死に討伐した巨人が、彼の故郷の村人だったなんてー。
私は、彼の大切な人達をー。
私はずっと、人類のためだと信じて、人を殺していただなんてー。
急に頭に重たさが乗ると、髪をクシャッとされた。
隣を見れば、リヴァイ兵長と目が合う。
何を考えていたか、きっとバレてしまったのだろう。