【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第154章 ◇第百五十三話◇苦難を、幸せと呼んだから【運命の決戦編】
本当はどうして、彼らのそばに自分はいなかったのだろうと思わずにはいられない。
あのとき、両親が迎えに来なければ、リヴァイ兵長が手を放さなければー。
でも、全ては結果論で、もしかしたら、そのおかげで今、私が生きているのかもしれない。
だからー。
「死んだ人達には、また会えるんです。何度だって、何度だって、私達はやり直せる。」
「あぁ、そうだったな。」
「次にニファ達と再会するとき、この世界が少しでも美しくなっているように、精一杯戦います。
間違いを正して、何度だってやり直した記憶はきっと、残ると思うんです。
そうすれば、こんな悲しい別れはないかもしれない。ううん、絶対そんなことさせない。」
リヴァイ兵長は、私の手を握った。
痺れるくらいの痛みはきっと、彼の心の痛み。
目の前で仲間を奪われたリヴァイ兵長はきっと、誰よりも自分を責めている。
誰も、彼を責めていないのに。
ニファ達だって、責めてなんかいないのにー。
「また会いましょうね。それまで、ゆっくりやすんでください。」
私とリヴァイ兵長は手を繋ぎ合って、兵舎へと戻る。
後ろから、またね、ってニファ達の声がした気がしたー。