【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第152章 ◇第百五十一話◇未来を憂う月【女型の巨人編】
真夜中、ウォール・マリアのシガンシナ区。
なんとか逃げ切ったライナーは、ベルトルト、そしてユミルと一緒にいた。
外門の壁上に辿り着き、漸く、腰を降ろす。
獣の巨人であるジークとはここで落ち合うことになっている。
調査兵団の精鋭達に追い詰められて、先に逃げたようだったから、どこかにいるはずだ。
だがもうー。
「あ~~~…、疲れた。」
ライナーの気持ちを代弁するように言って、ユミルが外門の壁上で仰向けに倒れた。
「ユミル…。なんで俺達のところにきた?」
「あぁ…そりゃ、私が馬鹿だからだな。
里帰りのお土産になってやってんだよ。
手ぶらじゃお前ら帰ってくれねぇだろ。」
ユミルの言っていることは最もだった。
アニを連れて帰るのが目的だったとしても、それが叶わなかった今となっては、他に何かが必要だ。
それがユミルであれば、自分達にとっては好都合ではある。
でもー。
「このまま故郷に行けばお前はまず助からないんだぞ…?
逃げるなら…今だ。」
「…何言ってんだ。バカ野郎。私はもう疲れた。
もいいんだよ。…もう。」
「ユミル…、なんで…僕を助けてくれたの?」
ベルトルトが訊ねた。