【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第151章 ◇第百五十話◇我らの天使の帰還【女型の巨人編】
「もう~!遅いですよ!
待ちくたびれすぎて、私が迎えに来ちゃいましたよ!」
冗談めかして、彼女が、が、笑う。
天使のような屈託のない笑顔は、確かにのものだ。
自分だけに向けてくれる、愛おしさで溢れた笑顔だ。
気づけば、リヴァイは地面を蹴っていた。
汚れた手が、とか、こんな自分でいいのだろうか、とか。
リヴァイにとってとても大きな悩みを、はいつもその笑顔でほんの小さな欠片すら残さずに消し去ってくれる。
ただ、愛したいと思わせてくれる。
抱きしめたい、とー。
「…!!」
抱きしめた。
強く、強く。
が腕の中にいるのを確かめるように、ただ必死に抱きしめた。
あぁ、すごく久しぶりに感じる温もりが、今回の戦いで疲れていた心と身体をとかしていく。
抱き合うとリヴァイの向こうに、104期の新兵達も戻ってきた。
それを見て、エルヴィンは気づく。
「鎧の巨人を追い詰めたのはだったわけか。」
事の経緯、そして鎧の巨人との壮絶な戦闘を104期の新兵達が話し出す。
ハンジは興味津々で聞いているのに、当事者のはそんなことどうでもいいとばかりにリヴァイに抱き着いて離れない。
そして嬉しそうに、迎えに来るのが遅いと文句を言っている。
兵団服を着ないで戦っている兵士を見たー。
それが、が調査兵団に入団するきっかけだった。
今度は彼女は、ボロボロに破ったウェディングドレスで巨人を討伐し、調査兵団を、人類をまた救った。
おそらくただ、仲間を救いたくて、リヴァイに会いたくてー。
「早く帰りましょうっ、私たちの家にっ。」
の屈託のない笑顔は、今、巨人化されてしまった人間の討伐で疲弊してしまった兵士達の心を癒した。
やはり、彼女は兵団に必要だ。
エルヴィンに、リヴァイに、ハンジにそう思わせて、漸く、調査兵団のじゃじゃ馬姫は帰って来た。