【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第18章 ◇第十七話◇歓迎会【調査兵団入団編】
その日は、調査兵団の行きつけの店で歓迎会が開かれていた。
わざわざ私のためにそんなことをしなくていいとは言ったのだが、みんな何か理由をつけて飲みたいだけだから気にしなくていいとエルヴィン団長に言われてしまえば、断る理由をなくしてしまった。
だが、いつもは凛々しい顔をしている兵士達が、お酒を飲んで陽気な顔で騒いでいる姿を見ていると、私をダシに楽しんでくれているのならば歓迎会も悪くないと思う。
この会を計画してくれたハンジ班のみんなに感謝だ。
「おれまで呼んでもらって恐縮です。」
さっきからずっと恐縮しきりの男性は、あの日、私を駐屯兵と勘違いして、こうして私が調査兵になってしまうというきっかけを与え私の人生を変えた、ある意味で運命の人だ。
全く人の話に耳を貸さなかった強引な姿はどこへやら、エルヴィン団長とリヴァイ兵長に頭を下げまくっている。
その隣では、誰よりも陽気にお酒を嗜んでいらっしゃるピクシス司令もいる。
彼は無類の酒好きなのだとオルオが耳打ちしてわざわざ教えてくれたが、聞かなくても分かるくらいにピクシス司令は、お酒を楽しんでいらっしゃる。
「が調査兵になってくれてよかったよ。
断られてたらおれは今頃…。」
「兵団を除隊だけで済めばまだマシってところよね。
私が巨人の餌にでもなってたら、死罪かもね。
そうじゃなかったら、私が呪い殺して―。」
「本当に悪かったと思ってるよ!!
でも、あれだけ戦えるヤツがまさか本当に一般市民だなんて誰が思うんだよっ!」
私にまで恐縮しきりで弱弱しくなってしまっている彼が面白くて、からかうのが、今の私のお酒の楽しみ方だ。
趣味が悪い、とエルドに非難されたけれど、その口元が僅かに上がっていたのに、リヴァイ班のみんなは気づいている。