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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第144章 ◇第百四十三話◇引き裂かれる2人【女型の巨人編】


驚いて振り返った私に、父親の隣に並んだルーカスが、久しぶりだねとニコリと微笑んだ。
まるで、私を殺そうとしたことなんて、記憶からすっぽりと抜けているような優しく穏やかな笑みに、狂気の沙汰を感じる。
凍えるように背中が震え、恐怖に怯えた目でルーカスを見上げる。
リヴァイ兵長が、床に尻をついたままで、私の腕を引っ張った。
助けを求めるように、私もリヴァイ兵長に抱き着き、王子様の姿をした悪魔に背を向ける。
私を抱きしめたまま、リヴァイ兵長がルーカスを睨みつけているのを殺気で感じていた。
どうして、ルーカスがー。
私の疑問に答えるように母親が口を開いた。

「私達が調査兵の格好をしたを見つけた日、ルーカスさんに会ったのよ。
 そこで、私達にあなたが嘘を吐いていたことが分かったの。
 それから、ルーカスさんが色々調べてくれたのよ。本当に、あなたの為に心配してー。」
「違う!!ルーカスは、私を殺そうとしたのよっ!その人は悪魔よ!!」

調査兵の姿を見られてからまだ数日、どうしてこんなに早く嘘がバレてしまったのかは理解した。
でも、それよりも問題は、ここにルーカスがいること。
彼の考えていることなんて、火を見るよりも明らかー。
でも、すっかりルーカスに騙されている母親は、私の腕を引っ張ってリヴァイ兵長から引き剥がそうとする。

「何を失礼なことを言ってるの!!!
 あなたを殺そうとしてるのは、今あなたが抱き着いてる人でしょう!?
 離れなさい!!!」
「いや!!絶対に嫌だ!!私とルーカスを結婚させる気でしょう!?
 そんなところには絶対に行けない!!」
「元々、あなたはルーカスさんと結婚するはずだったんでしょう!?
 自分のことを騙してたあなたをそれでもルーカスさんは許すと言ってくれてるのよ!
 有難いと思いなさい!!さぁっ、帰るわよ!!」
「いやっ!!」

必死にリヴァイ兵長にしがみつく私を、母親も無理やり引き剥がそうとする。
104期の新兵達は、どうしたらいいか分からないという顔であたふたしていた。

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