【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第141章 ◇第百四十話◇ウォール・ローゼ突破【女型の巨人編】
「もうそろそろ、リヴァイはを鎖で繋いでおくと言い出すんじゃないか。」
私の背中から手をまわし手綱を握るミケ分隊長のため息が、頭上に落ちてくる。
テュランは、いつもよりもだいぶ重たくなった体重を支え、最高速度でライナーとベルトルトがいると思われる南へと向かってくれていた。
「心は繋がれてますよ。苦しいくらい雁字搦めです。」
「…そういう話をしているんじゃない。」
「分かってます。でも、気づいたらいつも動いてるんです。
リヴァイ兵長に心配かけちゃダメだって分かってはいるんですけど…。」
「まぁ、今回はその無鉄砲さのおかげで、俺も命拾いした。
リヴァイが本気で鎖を持ちだしたら、盾くらいにはなってやろう。」
「ありがとうございます。
でも…、ミケ分隊長の愛馬を助けられなくて、本当にごめんなさい。」
「仕方ない。あのままなら、俺も馬も死んでいた。
は選んだだけだろう。馬を選ばれなくてよかった。
そのときは化けて出るところだった。」
こんなときに面白くない冗談を言うミケ分隊長の優しさに、私は困ったように笑う。