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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第136章 ◇第百三十五話◇覚悟と最善策【女型の巨人編】


「行くぞ、ペトラ!」
「クソッ!絶対に死ぬんじゃねーぞ!!」

エルドとオルオが、ペトラの兵団マントを引っ張った。
そうだ。分かっている。
の実力は今や、この調査兵団の中でトップ5に入るものになっている。
確かに、今この場で最も生存率が高いのは彼女だろう。
でも、違う。
は、自分が一番生存率が高いと声高に言うタイプでもないし、恐らく、自分の実力を理解していない彼女はそんなこと露程にも思っていない節がある。
短い付き合いだけれど、そばで見て来たから分かる。
は、私達を守る気だー。
自分の命を懸けて、守る気なのだ。
エルドとオルオが、ペトラを連れて飛んだのを確認してすぐ、は女型の巨人へ向かっていった。
調査兵団の中でも特に華奢なその身体でも、巨人に立ち向かっていけるようにが必死に身に着けた人類最強の技。
それを惜しげもなく披露するように、は勢いよく回転する身体と刃で、まずは女型の巨人の口の筋肉を削いだ後、執拗に腕を狙っていた。
そうやって、視力が回復してからも女型の巨人が攻撃が出来ないようにして、時間を稼ごうということのようだ。
まだ視力の回復していない女型の巨人は一方的な攻撃を受け続ける。

「嘘だろ…、速い…!」
「硬貨で塞ぐ暇もねぇな…!」

後ろをチラリと見たエルドとオルオも、想像していた以上のの成長に、驚きを隠せないようだった。
正直、ショックだった。
精鋭兵と呼ばれ、リヴァイに指名までされてリヴァイ班に入った。
確かにその頃は、の方が実力はだいぶ低かった。
それが、突然やってきた異例の新兵に、あっという間に自分達よりもだいぶ上のステージにいかれ、こうして守られるている。

『ここで一番生存確率が高いのは誰っ!?私は、あなた達なんかよりよっぽど強いの!!』

それが、自分達を守るためのの覚悟だと分かっていながら、何もー。
何も言い返せなかったことがー。
ペトラは唇を噛むと、ワイヤーを飛ばした。
早急に、この場から離れるためにー。
大丈夫、は強い。死なない。
そのためにも自分達はー。

「早くリヴァイ兵長の元へ…!」

生きて、をリヴァイの元へ帰してやろう。
それが今、自分達に出来る最善策だ。
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