【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第136章 ◇第百三十五話◇覚悟と最善策【女型の巨人編】
(まだ30秒しか経ってないのに…。まさか、右目だけ…!?)
片目だけ優先し回復させたというのか。
そんなことが出来るというのか。
狼狽えるペトラ達の横を、颯爽と現れたが風を切って飛んでいき、女型の巨人の左目を切った。
これでまた、せめて30秒の安穏が訪れる、はずだー。
「!!どうしてここに!?」
「お前、ハンジ班はどうなったんだ!?ていうか、この状況はなんだ!?」
「リヴァイ兵長はどうしたの!?」
への、今のこの状況への疑問が、矢継ぎ早に飛ぶ。
ペトラ達の元にすぐに戻ってきたは早口で捲し立てるように答えた。
「作戦は失敗した。女型の捕獲はもう無理。」
「ハァ!?どういうことだよ!!今、ここで俺達がやれば、ヤツを殺せる!!」
「リヴァイ兵長とミケ分隊長でもうなじを削げなかった。
私達にどうにか出来る相手じゃない。」
「じゃあ、ここで尻尾巻いて逃げろって言うのかよ!?
俺達の任務はあのガキを守ることだ!!」
「分かってる!だから、エルド達はすぐにリヴァイ兵長を呼んできて。」
「それじゃ、その間にエレンが奪われてしまう!!」
「リヴァイ兵長が来るまで、私がここで食い止める。」
「なッ!?無理だっ!!俺達でも危なかったのに、だけなんてー。」
「女型は、私を殺さない。」
暗闇と光、怒りと悲しみ、諦めと覚悟、相反する色を宿したの瞳に、エルド達は思わず言葉を飲み込んだ。
のそれは、確信しているような言い方だった。
たくさんの仲間が、グンタが、あの女型の巨人に殺されたのに、自分は殺されないという自信がどうしてー。
「どうして、殺さないなんて言えるの!?」
「これが最善策なの!お願い、早く行って!時間がない!!」
「だから!!危険なところにを置いて行くなんて出来ない!
私達も一緒に戦う!!」
「うるさいな!!!わかんないの!?
ここで一番生存確率が高いのは誰っ!?私は、あなた達なんかよりよっぽど強いの!!
絶対に、死なないわっ!!」
が乱暴にペトラの肩を押した。
冷たく突き放す彼女の言葉は、いつもの彼女らしくはなかった。
でも、覚悟を決めた瞳は、ペトラ達の知っている優しい彼女のままでー。