【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第135章 ◇第百三十四話◇彼女の叫び【女型の巨人編】
エルヴィン団長の指示によって、第二波、第三波と女型の巨人を拘束するためのワイヤーが撃たれていく。
その度に女型の巨人は動きをより強固に拘束されていった。
「これでどう?もうかゆいとこあっても掻けないよ?
身じろぎ一つできないよ、多分一生。
傷を塞げば塞ぐほど、関節はより強固に固まっていく仕組みだ。」
ハンジさんが興奮気味に言う。
だが、拘束するだけではいけないのだ。
うなじの中で隠れている人類の敵を引きずり出さなければー。
分かっている。とても分かっているから、だからー。
「…しっかし、肝心の中身さんはまだ出せないのか?
何やってんだよ、リヴァイとミケは…。
も、しっかりサポートしなさいよ~!」
ハンジさんの声は、木の枝の上から超硬質スチールを構える私達にも聞こえていた。
リヴァイ兵長、ミケ分隊長と目で合図をしあってから、私は立体起動装置のワイヤーを飛ばした。
勢いよく飛び上がり、女型の巨人のうなじへと回転しながら急降下する。
超硬質スチールの刃は、今回も、うなじを守る大きな手をとらえた。
本来ならそのまま切り落とせるはずなのだ。
だが、手を硬質な皮膚で覆われてしまい、私達の超硬質スチールの刃は、また粉々に折れて飛んでいった。
「…なんで。」
木の枝の上に戻り、私は悔しさで唇を噛む。
あと少し、あと少しなのにー。
そこに私達の、人類の敵がいるのにー。
エルヴィン団長は、白刃攻撃は一旦諦めて、発破で巨人の手首を吹き飛ばすという作戦に変えたようだった。
ケイジさん達が、作戦の準備を始める中、リヴァイ兵長は女型の巨人の頭の上に乗って、彼女に話しかけていた。
恐らく、中にいる誰かにー。