【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第125章 ◇第百二十四話◇兵士達の結婚観【女型の巨人編】
宿泊施設で兵士達が与えられた部屋は、相部屋だった。
監視役のリヴァイ兵長と同室になったエレンに、何とか部屋を変わってくれないかと泣きそうな顔で懇願されたが、そこも任務の延長線上にあるため、私がどうにかしてやれることではなく、結局、悲鳴を上げながら引きずられていった。
本当に、不憫だー。
「ねぇ、正直なところ、はどうなの?」
二段ベッドの下の階で眠りかけていた私は、上から聞こえてきたペトラの声に反応して瞼を上げた。
何のことかと訊ねると、上からペトラの顔がさかさまに覗いた。
「結婚とかって、考えたりするの?」
敢えて、リヴァイ兵長の名前を出さなかったのは彼女の優しさなのだろう。
心配そうな表情に、私の気持ちは知られているような気がした。
「エレンの言った通りだよ。結婚したいなら、兵士にもならないし、リヴァイ兵長も諦めたよ。
そうすれば…、ルーカスがあんな事件を起こして人が死ぬこともなかったなら尚更。
それでも、人が死んだのに、私はリヴァイ兵長を好きになったこと後悔してないの。」
それが私の答えだよー、そう伝えれば、ペトラは上のベッドへ戻っていった。
そしてー。
「オルオがね。」
「うん。」
「最近、毎日のように俺の女房になれとか言い出してて。」
「今までもよく言ってたもんね。
付き合ってない時から女房だと思ってる節があったし。」
オルオの顔を思い出して、思わず笑いが出る。
でも、ペトラの声はとても真剣に悩んでいるようでー。
「私もオルオも、本気で結婚考えるような歳ではないんだと思う。
でも、調査兵団に身を置いてる以上、明日の命もわからない。
だから、オルオは本気なんだと思う。」
「そっか。愛されてるんだね。」
「でも、怖いよ。結婚して、そして、それからどうするの?
私が先に死ぬの?オルオ?残された方は、どうしたらいいの?」
「その気持ちは、オルオには言ったの?」
「俺もお前も死なないって。」
「じゃあ、ずっと2人で幸せに過ごしましたって、
ハッピーエンドだと思うけど。」
「そんな!?そんな簡単なことじゃないよ!!」
今度は、勢いよくペトラの顔が上から覗いた。
悲痛なその表情を見れば、ペトラの気持ちなんて、鈍感なゲルガーさんだってわかってしまうくらい素直だった。