【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第125章 ◇第百二十四話◇兵士達の結婚観【女型の巨人編】
長距離索敵陣形の全体陣形訓練のため、調査兵団の兵士達はウォール・ローゼ南東にやってきていた。
照りつけるような熱い太陽の下、見渡す限りの大きな草原で、調査兵達は、それぞれの配置について陣形の最終確認を行う。
だが、その訓練に参加することはせず、リヴァイ班とハンジ班はそこから少し離れた場所にいた。
調査兵団の所有する山小屋風宿泊施設。ここを拠点にして、エレンの巨人化実験を行う予定だ。
だが、まずはー。
「早急にとりかかるぞー。」
いつものように、リヴァイ兵長の先導で、清掃が始まった。
総勢10名以上が泊まれるこの山小屋風宿泊施設は、長らく使われていなかったようで、中も外も荒れ放題だ。
でもー。
「終わるんですかね…。」
窓拭きをしている私の眼下では、エルドとグンタが汗だくになりながら荒れ放題の庭で雑草抜きをしている。
なかなかリヴァイ兵長からOKが出ない中、私からはあっという間に弱音が出てくる。
少し向こうから、オルオの悲鳴が聞こえてきた。
黒くテカテカしたツヤが自慢の世にも恐ろしいヤツが、現れたらしい。
「…徹底的に、綺麗にさせられそうだね。」
「はぁ…。」
ハンジさんの予言が当たる予感しかしなくて、私は大きくため息を吐く。
あの綺麗なリヴァイ兵長の部屋ですら、掃除を始めたらなかなか終わらないのだ。
帰りの日程は決まっているのに、この調子でエレンの巨人化実験なんて終わらせられるのだろうか。
帰るまでずっと掃除をさせられそうだ。