【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第123章 ◇第百二十二話◇ほのぼのファミリーに幸せを【女型の巨人編】
調査兵団の兵舎に最も似合わない存在である赤ん坊が、思いがけずやってきて、5日が経とうとしている。
初日からほとんどが眠れなかったことはリヴァイからエルヴィンに報告があり、昼間はが子供の世話をするが、夜は比較的仕事の少ないアルミン達104期の新兵達が交代で見ようということになった。
はずだったのだが、と離れるとヨシュカが大号泣してしまい、どう頑張ってもミルクすら飲んでもらえなくなってしまったので、その案は断念するしかなかった。
結局、朝から晩までが1人で見るしかなくなったのだけれど、意外にもリヴァイが手伝っているらしい。
夜も交代で寝ているからなんとか1週間持ちそうだとから聞いている。
あれだけじゃないとダメだと大号泣したヨシュカも、リヴァイには懐いているようで、アルミンにはとても意外だった。
でもー。
「ほのぼのファミリーかっ!」
厩舎で自分達の馬に餌をやっていると、コニーのツッコみが聞こえてきた。
でも、コニーのからかい混じりのツッコみは、とても的確だった。
午前中はエレンの巨人化実験で兵舎を出るリヴァイは、昼過ぎに帰ってくると、とヨシュカを散歩に連れ出すのが日課になっているようだった。
厩舎近くの広場で、赤ん坊をはさんで寄り添うとリヴァイの様子は、傍から見るとまるで本物の家族だ。
最初は、リヴァイが赤ん坊を抱いている姿なんて意外過ぎて、幻でも見ているのかと自分の目を疑ったくらいなのだがー。
「なんだか見慣れてきましたね~。」
「そうだね。」
サシャも同じことを思っていたと知り、アルミンは苦笑気味で答える。
どの兵団よりも死が近いところで戦っている調査兵団の兵舎の中で、彼らのいる場所だけ、違う時空で時間がゆっくりと過ぎているようだった。
柔らかい光に守られていて、生に溢れていて、キラキラと輝いていて。