【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第120章 ◇第百十九話◇心配してくれる人達を怒らせた【女型の巨人編】
ストヘス区、憲兵団施設はいつ見ても大きくて綺麗だ。
古い建物ばかりの調査兵団の兵舎とは全然違う。
内装はホテルみたいだし、外構はお屋敷のお庭のような作りになっていて、お散歩コースまである。
だから、裁判を終えた後、リヴァイ兵長とエルヴィン団長の会議が終わるまで時間が空いた私は、アニを見つけて一緒に散歩をしていた。
「アンタ、事件の被害者として裁判に出廷したんじゃなかった?」
「そうだよ。すごく緊張した~。」
「殺されかけた割にはピンピンしてんだね。」
アニが、私の身体を頭の先からつま先までジロジロと見た。
嫌な感じがしないのは、感情を隠しているような瞳から、私の心配をしてくれているのが確かに伝わってきたからだと思う。
「壁外の巨人だけじゃなくて、兵団の中にまで自分を殺そうとするやつがいて
アンタよく、調査兵団続けてられるね。辞めてしまえばいいのに。
どうせ、好きで始めたんじゃないんでしょ?」
「今は好きで調査兵団にいるんだよ。
大切な仲間も出来たし、私には、素敵な騎士様がついてるから、大丈夫なの。」
アニに向かって、ピースサインをする。
すると、眉を顰めたアニが、訊ねる。
「騎士?それはー。」
「おい、アニ。その女性は誰だ。」
私達の前に現れたのは、憲兵だった。
この雰囲気から察するに、アニの上官のようだ。
裁判が終わった後、私服に着替えていた私が調査兵だとは思わず、憲兵団施設にいる怪しい民間人だと勘違いしたようだった。
でも、私を頭の先からつま先までジロジロと舐めまわすように見る目が、さっきのアニのときとは違って、すごく嫌な感じがした。
「友人です。散歩コースを見てみたいというので
ちょうど休憩時間だった私が、案内していただけです。」
アニは、威圧的な態度の上官に臆することなく答える。
胸を張って、堂々としているアニが気に入らないのか、上官の男は眉を顰めた。