【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第120章 ◇第百十九話◇心配してくれる人達を怒らせた【女型の巨人編】
もうすぐ、ジーニー達の裁判が始まる。
憲兵団に身柄を拘束されたときには、黒幕の存在を話していたらしいけれど、今は全ての罪を自分達の独断で行ったものだと認めているようだった。
その話を、ハンジさんの執務室兼自室に呼び出された私は、今初めて知った。
その裁判に、私が被害者として出席することが決まったから、伝えておくのが良いと判断したのだろう。
「また、ルーカスだったってことですか?」
ショックだった。
そこまでして、私を殺したいと思っていたなんて。
そんなに、憎まれていたなんて。
優しく微笑むルーカスは、もういない。
いや、そもそも、そんなルーカスはいたのだろうか。
私が知っていると思っていた王子様は、私の知らない正体を持っていただけなのかもしれない。
でも、彼にここまで私を憎ませたのは、他の誰でもなく私だ。
それが何よりも、ショックだったのかもしれない。
「そうだろうね。その話が表に出る前に消えたってことは、
憲兵団にもヤツの息がかかったやつがいるってことだ。
とりあえず、ストヘス区への出向はエルヴィンとリヴァイもついていくから、絶対に離れないように。」
「了解です。」
ハンジさんが、なぜ、握り潰された真相を話したのかを理解し、私は敬礼で応える。
まだ私を殺そうと狙っているかもしれないから、気をつけろということなのだろう。
でも、それなら問題ない。