• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第119章 ◇第百十八話◇デート【女型の巨人編】


テュランの怪我は、すぐに獣医が見てくれたそうだ。
元々調査兵団のために改良された種類の馬であるテュラン達は、回復力も通常の馬よりも高いらしく、傷跡は残っているもののもうほとんど治っていた。
そして今、それを証明するみたいに、だだっ広い草原を、テュランが走り回る。
追いかけられるリヴァイ兵長の愛馬は、仕方なく遊びに付き合ってあげているようにしか見えない。

「あんなにデートだっつって喜んでたのに、こんなんでいいのか。」

私とリヴァイ兵長は、木陰に腰かけて並んで座っていた。
ウォール・ローゼ内にある草原は、以前、リヴァイ兵長と一緒に来たことがある場所だった。
いつかテュランを連れて来たいと思っていたから、それが叶って嬉しい。

「最高のデートですよ。」

リヴァイ兵長の肩に頭を乗せて、寄り掛かる。
大好きな人と一緒に過ごせて、大好きな人が私の行きたいところに連れて行ってくれる。
隣でずっと優しい瞳で見つめてくれる。
それが、最高のデートじゃないのなら何だと言うのだろう。

「そうか、ならいい。」

リヴァイ兵長が、私の腰に手を回す。
少しずつ赤くなってきた空が、すごく綺麗ー。
風に揺れる草原に咲く花も、鳥の声も、すべて。
リヴァイ兵長が隣にいるだけで、すごく輝いてる。

「テュランに林檎をたらふく食べさせるんですか?」
「あぁ、そういえば、そんな約束したな。」
「根に持つタイプだから、怒られますよ。」
「帰りに買って帰る。」
「私からもお礼をしなくちゃ。
 テュラン、すごく頑張ってくれたから。」
「そうだな。」

隣に感じるリヴァイ兵長の体温と柔らかい風。
それが、今の私を包むすべて。

「そろそろ帰るか。」

立ち上がったリヴァイ兵長が、私に手を差し伸べる。
ふと、あの夢を思い出した。
あれは本当に夢なのか、それとも遠い過去の記憶なのか。
もしかしたら、私達の未来だろうか。
まぁ、今は何だっていい。
だってー。

「はいっ。ハンジさん達に、お土産買って帰りましょうっ。」

リヴァイ兵長の手をとって立ち上がる。
私には帰る場所がある。
そこには、大好きな人達がいる。
私の今は、どんな夢にも、どんな過去にも、どんな未来にも、負けないくらいに幸せなのだからー。


/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp