【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第116章 ◇第百十五話◇初めてひとつになれた【女型の巨人編】
器用な手がバスローブの紐を解いたのに気づいて目を開けたときには、布に隠れていた私の肌は、下着に守られる部分を除いて、すべてリヴァイ兵長の眼下で露になっていてー。
「恥ずかしいので、あんまり…っ、見ないでください…っ。」
朝を過ぎたばかりの時間の部屋は、カーテンを閉め切っていても明るかった。
私も知らない肌の調子まで見られてしまいそうで、恥ずかしくなって両手で胸と下部を隠しても、邪魔だとばかりに手首をベッドに縫い付けられてしまう。
「これくらいで恥ずかしがってたら、持たねぇぞ。」
耳元で囁かれる意地悪な低い声が、これから起こる欲にまみれたベッドの様子を想像させて、期待に膨らんだ胸とは裏腹に、私の顔を赤くさせる。
それなのに、それが凄く待ち遠しくもなる。
早く、もっと恥ずかしいことを。
それが、恥ずかしいと思う余裕もないくらいにー。
肌を重ねるのに邪魔だと言っているみたいに、煩わし気にシャツを脱ぐ仕草すらセクシーで、私は思わず綺麗に並んだ腹筋に手を触れる。
硬いそこには、大小様々な傷跡がいくつも残っていて、この人が今までどれだけの死線を潜り抜けてきたのかを語っていた。
それでも生きていてくれたから、巡り合えた。そうして、こうして肌を重ね合おうとすることが出来ている。
そう思うと、込み上げてくるのは、さっきまでの熱情とは違う温かい気持ちだった。
「リヴァイ兵長…。」
「ん?」
いつもよりも低く聞こえる声は、名前を呼んだのがちゃんと聞こえたのか、聞こえてないのか分からないくらいの心ここにあらずで、私の胸に舌を這わせていた。
いつ下着をとられたのかも気づいていなかった私は、胸の突起にだけ触れてくれない舌にもどかしさを感じながら、身をよじる。
「好き、です…、んっ。」
どうしても伝えたくなってそう言えば、漸くリヴァイ兵長の意地悪な舌の動きが止まった。
そして、顔を上げて、私の頬を愛おしそうに撫でる。
「あぁ、知ってる。」
あまり、気持ちを口にはしてくれないリヴァイ兵長は、私の気持ちを聞くといつもそう言う。
でも、私を見つめる瞳が優しくて、大きく膨れ上がってもう止められない想いのすべて受け止めてくれるような気がして、すごく安心する。
言葉がなくても不安になることはないのだろう、そう思えるのは、重なる唇が言葉よりも饒舌に愛を語ってくれるおかげだ。