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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第115章 ◇第百十四話◇水を得たいのに海を知らない魚【女型の巨人編】


巨人についての情報がまとめられた本の山を抱えた私は、図書室に向かっていた。
優秀な新兵に私が教えられることがないとリヴァイ兵長に愚痴ってしまったからか、あの日から訓練指導を外されてしまった。
今は、ナナバさんが担当していると聞いている。
そして、役立たずの烙印を押されてしまった私は、全体での陣形訓練や自主練と並行して、ハンジさんの巨人生体調査の手伝いをさせられている。
簡単に言えば、壁外調査前に細々とした書類仕事に追われるハンジさんの雑用係だ。
重たい本を抱えてフラフラしながら図書室に入ると、本を読んでいるアルミンを見つけた。
訓練指導を外れてから数日、久しぶりに顔を見た気がする。
午前中のこの時間なら、新兵は訓練のはずなのにー。
私服だから、非番なのだろうか。

「おはよう、アルミン。何してるの?今日はお休み?」

アルミンのいるテーブルに、抱えてきた本を置きながら声をかけた。
夢中で本を読んでいたアルミンは、そこでようやく顔を上げ、私が図書室に来たことに気づいたようだった。

「さん、おはようございます。」
 今日は非番なので、本を読もうと思ってさっき来たところなんです。」
「非番の日に図書室に来るのなんて、きっとアルミンくらいだよ。」

苦笑しつつも、アルミンらしいと思いながら、私も持ってきた本を手に取った。

「さんは、その大量の本は何ですか?」

背表紙の番号で、元に戻す場所を確認しているとアルミンに訊ねられた。

「ハンジさんが部屋に持ち込んだ本を返しに来たの。
 今日の私の任務は、ハンジさんのお手伝い。」
「毎日、大変そうですね。」

アルミンにまで苦笑されてしまって、私も苦笑いを返すしかなくなる。
元の場所に本を返したら、またハンジさんが大量に部屋に持ち込んでいる似たような本を図書室に運んでー。
どんな体力作りの訓練よりも、体力がつきそうだ。
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