【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第113章 ◇第百十二話◇仲直り【女型の巨人編】
初めての喧嘩は、拗ね続ける私に、最終的にリヴァイ兵長が折れて謝って終わった。
今でも、私がどれだけ悲しかったかを分かってくれなかったリヴァイ兵長の方が絶対に悪いと思っている。
でも、どうにもならないことを子供のように怒って、困らせてしまった私も悪かった。
ー少しだけ。
だって、それくらいすごく悲しかったからー。
デスクで書類仕事をしていた私は、なかなか動かないペンにため息をついて、壁掛けの時計を確認する。
今日が昨日になって、いつの間にか2時間も過ぎていたらしい。
終わる気がしない書類に、もう一度ため息を吐いたとき、リヴァイ兵長の執務室と繋がる扉が開いた。
「また寝てなかったのか。」
扉を開けたリヴァイ兵長は、デスクにいる私を見て驚いていた。
でも、私もとても驚いた。
リヴァイ兵長は、数日前から、ジーニー達の件でストヘス区の憲兵団施設へ出張していて、帰りは明日のお昼以降だと聞いていたのにー。
「おかえりなさい。帰りは明日だと思ってました。」
「エルヴィンとミケは泊ってくるから、明日の昼になる。」
「リヴァイ兵長だけ帰って来たんですか?
明日、リヴァイ班は何かあるんですか?」
「バカか、お前が寂しいと思っただけだ。」
デスクの椅子に座る私を、リヴァイ兵長が後ろから包み込むように抱きしめる。
外の風に当たっていたせいか、身体が触れたところがひんやりと冷たかった。
「会いたかったけど、まだ怪我は完治してないんですから
無理しないでくださいよ。」
「そうだな。これ以上延期になったら最悪だ。気をつけよう。」
「そういうことじゃないです。」
本気で勘違いしているからこそ、珍しく素直なリヴァイ兵長に、私からはため息が出る。