【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第102章 ◇第百一話◇花占い【恋の行方編】
「ほら、これをやるから、もう拗ねるな。」
そう言うと、リヴァイ兵長は、自分の腰のあたりに咲いていた花を摘んで私の髪にさした。
そしてー。
「占いのための花なら、俺がいくらでも持ってきてやる。」
リヴァイ兵長に言われて、私は自分の髪に咲いている花を手に取った。
掌の上に乗せた花にそっと指で触れる。
(好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い…、好き。)
心の中で数えた花弁。
リヴァイ兵長がくれた花は、私に愛を教えてくれた。
心配しなくていいよ、と言ってくれるみたに、優しくー。
私の不安をとかしていくー。
「俺の気持ちは分かったか?」
「たぶん、花が嘘をついてなかったら。」
「俺が嘘をつかさねぇから、問題ねぇ。」
自慢気に言うリヴァイ兵長を見て、ようやく私から少しの笑みが零れた。
両手にそっと包み込んで、優しい愛の花を見つめる。
やっぱり、リヴァイ兵長は凄い。
だって、私の心の天気を操ってしまうんだから。
「寂しかったなら、俺に言え。いつでも会いに行く。」
リヴァイ兵長が、私の髪をクシャリと撫でる。
さっきと同じ仕草なのに、私の胸を温かくする。
本当に不思議だ。
リヴァイ兵長は、魔法使いみたいだ。
「でも…、忙しいでしょう?」
「忙しくても、会いに行く時間を作るくらいできる。」
「そんなことしてたら、疲れちゃいます。」
「それはお前が癒してくれるんだろ?」
「…毎日、ほんの少しでいいから顔が見たいんです。」
「そりゃいいな、俺も同じことを思ってたところだ。」
照りつける太陽と青い空、それに白い花と、そして、リヴァイ兵長。
今日もこれからも、私の心を晴れにしてくれるのは、他の何でもなくてリヴァイ兵長ただひとりだけだ。