【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第98章 ◇第九十七話◇悪魔との交渉【恋の行方編】
ゆっくりと開いた扉から入ってきたは、ルーカスのものだった頃のままだった。
見覚えのあるワンピースは、ストヘス区でデートをした時に着ていたのを覚えている。
長い髪が、少し伸びたかもしれない。
でも、前髪の下で太陽の光を受けて輝く重たい睫毛も、綺麗に澄んだ瞳の色も、白い肌も、当然のようにルーカスが触れていたままでー。
思わず手を伸ばそうとして、今はそれをリヴァイが自分のものとして触れていることを思い出し、最低な気分になる。
「久しぶりだね。君から会いたいと言ってくれるなんて、嬉しいよ。
美味しい紅茶を用意させてあるんだ。君が好きだったものだよ。
今すぐ持ってこさせるからー。」
「今日は、ルーカスにお願いがあって来たの。」
は、扉の前から、一歩も足を踏み入れようとはしない。
これ以上、近づくなと言っているみたいだ。
「早速、本題かな。困ったな。
まずは思い出話でもしたいなと思っていたのに。」
「そうね、しましょう。思い出話を。どの爆発の話にする?」
「へぇ、知ってたんだ。
まぁ、だから、会いたいと言い出したんだろうなとは思ってたよ。」
ルーカスはそう言って、の元へ歩み寄る。
そしてー。
「君を殺そうとした男の元へ行くことを許すなんて、
リヴァイという男は頭がおかしいんだね。
俺なら絶対に、君をそんな危険な男の元へ行かせないよ。」
ルーカスは、の頬を優しく撫でた。