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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第96章 ◇第九十五話◇果たし状【恋の行方編】


ピクリとも動かない身体には、私の本気が伝わっているのだと信じたい。

「ハンジさんにしては、最低な冗談ですね。
 私はともかく、リヴァイ兵長が兵団を去る理由なんてないことを
 よくご存知でしょう。」
「知ってるさ。でも、どうしようもないんだ。
 人類には剣が必要だ。調査兵団がなくなれば、人類はもう勝てない。」
「リヴァイ兵長がいなくても、勝てません。」
「じゃあ、私達はどうすればよかったんだ。
 リヴァイがそれを望んだのに。」
「私のために、ですか。」
「…そこまで分かっているなら、こんな馬鹿な真似はやめなさい。」
「お願いです、ハンジさん。
 私にも、リヴァイ兵長を守らせてください。」
「ダメだ、あの男の元へ行けば、はもう帰ってこられなくなる。
 そんなことになったら、リヴァイは、兵士としての立場だけじゃなく
 君まで失うことになる。それこそ、あの男の思う壷じゃないか。」
「そんなことさせません。
 誰にも、リヴァイ兵長から大切なものを奪わせたりしない。絶対に。」

ついに、ハンジさんは認めた。
主犯はルーカス。リヴァイ兵長は、私を守るために犠牲になろうとしている。
そして、私は、それを許さない。
私は、あの物語のか弱いお姫様じゃない。
私は、兵士だ。
そして、この欺瞞に溢れた世界で、私に戦う術を与えてくれたのは、他の誰でもないハンジさんだ。
沈黙が続く中、少しずつハンジさんから放たれる殺気が薄れていくのを感じている。
私の気持ちが、本気が、届いていると信じるしかない。
そして、不本意で不公平な未来が来ないように、行動に移してくれることをー。
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