【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第95章 ◇第九十四話◇幸せな一日の、最初の日【恋の行方編】
ローテーブルに置いておいた書類を手に取り、内容を確認する。
今日の書類仕事は、エルヴィン団長から渡された。
以前の職場である立体起動装置修理の請負とのやり取りを、私が一任させられていた。
昔のよしみで安くしてもらえ、と言われているのだけれど、所長もお金に厳しい人だったから、そんなことしてもらえるかあまり自信はない。
「おい、なぜそこに座る。」
書類から顔を上げると、怖い顔で私を睨むリヴァイ兵長がいた。
「書類仕事を終わらせようと思って…。
まだ、お掃除足りないところがありましたか?」
また気になるところが出てきたのかと思って、面倒だなと思いつつも訊ねる。
私はもう、このピカピカの部屋のどこを掃除すればいいのか、教えられても理解できない。
「そこは大目に見てやった。」
「…そうですか。ありがとうございます。」
「あぁ、感謝しろ。
あと、仕事がしてぇなら、こっちでやれ。」
リヴァイ兵長が、自分の座るベッドを指さした。
そこは、今日は特に緊張して絶対に近づけなかった場所ー。
なんだかとても神聖な場所のような気がしてー。
「いいんですか?」
「いいから、来い。」
許可を出されたのにホッとして、私は書類を持って立ち上がった。
そして、ベッドの縁にそっと腰を降ろすと、リヴァイ兵長に少し強引に引き寄せられた。