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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第93章 ◇第九十二話◇美しい世界を貴方と生きる【恋の行方編】


私は何度、好きな人に嘘を吐くんだろう。
本当は今、すごく傷ついているくせに。
私の嘘つきな微笑みは、リヴァイ兵長を傷つけてしまったみたいだった。

「嘘じゃ、ねぇんだ。もう、大切なヤツを失うのは御免だ。あのときみたいな、地獄はもう…。
 だから、誰も愛さねぇと決めてる。そんな男、は早く忘れた方がいい。
 いつ死ぬか分からねぇ上、未来もねぇ男に、が傷つけられていいわけが、ねぇ。」

リヴァイ兵長は頭を抱えるみたいに顔を伏せ、膝の上に肘を立てた手で自分の頭を支えた。
そしてー。

「それなのに、お前を、他の男にとられると考えるだけで、頭がおかしくなりそうになる。
 だから、お前がまだ俺に惚れてるか確かめて、俺に傷つけられてるお前を見ては安心して。
 その度、俺は自分が嫌いになる。」

リヴァイ兵長は言いながら、自分の前髪をクシャリと引っ張るように握りしめた。
まるで、自分を痛めつけているようなその仕草がとても、痛々しい。
私の気持ちを聞いたリヴァイ兵長が、そんなに悲しいことを考えているなんて、知らなかった。
そんな悲しい決断を、していたなんてー。
そうやってずっと、大切な人を失ってからずっと、1人で戦っていたなんてー。
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