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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第84章 ◇第八十三話◇愛しい騎士を悲劇から救って【恋の行方編】


彼の瞳にもまた復讐に染まった憎しみの炎が燃えていた。
リヴァイ兵長が殴れば、本当に引き金を引くつもりだろう。
私は、自分の胸に押しあてられている銃を見下ろし、恐怖に震えた。
胸なんて撃たれたら、きっと即死だ。
死にたくないー。
でも、リヴァイ兵長の怒りを煽ったあの男の言葉も、過去の行動も最低で、殴られても当然でー。
私は、恐怖と不安、悲しみで、リヴァイ兵長の顔を見られなかった。

「聞き分けがいいじゃねぇか。そうだ、最初から俺の言う通りにしてりゃぁいいんだ。」

モーリが満足気に言った。
リヴァイ兵長は、最低の鬼畜男を殴ることを止めたー、私のせいでー。
顔を上げると、リヴァイ兵長が悔しそうにモーリを睨みつけていた。
さっきまで上がっていた拳はおろされ、行き場をなくしたまま怒りに震えていた。

「俺達はよ、この女を好きにしていいと許可を貰ってんだよ。
 おい、金髪野郎、コイツはチャンスは生かせなかったんだろ?」
「あぁ、馬鹿みてぇにそのチビの名前を呼ぶだけで、全然ダメだった。
 だから、俺が今からヤッちまうところだったのによっ。」
「本当だぜ。」
「楽しみにしてたのによ。」

金髪の男は苛立ち気味に言って、ソファにドカッと座った。
その隣に腰を降ろした茶髪の男達も、つまらなそうに文句を口にする。

「なぁ、リヴァイ。お前の言った通り、俺の狙いはお前だけだ。 
 この女にもここにいる理由はあるにしろ、俺の復讐に利用された不憫な女でもある。
 それなのに、ソイツらに好きにされるのは可哀想だと俺も思うんだよ。」

そこで、だー。
モーリは、嫌な笑みを浮かべ、恐ろしい交換条件を出した。
優しいリヴァイ兵長が、きっと、首を横には振れないと知っていてー。


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