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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第78章 ◇第七十七話◇絵本の世界へようこそ【恋の行方編】


パーティー会場へ向かう馬車の中で、エルヴィン団長から、なぜ今回はナナバさんではなく、エスコート役なんてやりたがらないリヴァイ兵長が選ばれたのかを教えてもらった。
ルーカスが、参加しているらしい。
そこで、私がナナバさんのエスコートでパーティーに参加していたら、疑惑を持たれる可能性がある。
だから、パーティー会場では恋人同士のフリをしろーと、とても有難いご指示まで頂いている。
エルヴィン団長の指示になら何だって従うリヴァイ兵長だから、きっと、ちゃんとするのだろう。
だから、ここ数日避け続けていた私の手を引いたりしたのだろう。
その話を聞いてから、私はずっと不機嫌に窓の外を眺めていた。
1人分の隙間をあけて隣に座るリヴァイい兵長も、窓枠に肘をついて、つまらなそうに窓の外を眺めているのを知っている。
不機嫌な男女の乗った馬車に同席しているエルヴィン団長は、さぞかし居心地が悪いだろう。
さっきからずっと、今夜のパーティーの出席者リストを見ている。
エルヴィン団長の頭脳なら、そろそろ暗記して上から下まで、リストを見ずにサラサラと口に出して言えそうだ。

「他の女の恋人のフリなんて、本物の恋人さんに怒られますよ。
 私がお腹壊したことにして、今から帰りましょうか。」

ウォール・ローゼへ続く内門を抜け、少しずつパーティー会場に近づいているのが、街並みからよくわかった。
庶民的な家や店が続く通りから、貴族が好むような豪華な建物の街に変わり始めている。

「そんな女はいねぇから、問題ねぇ。」

リヴァイ兵長も窓の外を眺めながら答えた。
嘘つきー、そう思ったけれどそれを口にすることはなかった。
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