【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第75章 ◇第七十四話◇好きすぎて、大嫌い【恋の行方編】
『ごめんなさいっ。でも、どうしても、リヴァイ兵長が好きなの…っ。』
傷ついた瞳から、ジャンの優しい気持ちから、逃げたー。
誰かを好きになるのはきっとルルの言うようにとても尊くて素敵なことだ。
でも、それが報われないとき、絶対に誰かが傷つく。
そんなのってー。
「あーっ!いたいたっ!!、探してたんだよっ!」
私を見つけて、ハンジさんが嬉しそうに駆け寄ってきた。
一緒にナナバさんもいる。
この2人で私を探していたと聞くと、ルーカスのことを思い出してしまう。
だが、そうではないようだったー。
「言いづらいんだけどさぁ。」
「じゃあ、言わないでください。嫌な予感しかしないので。」
私は頭を下げて、彼らの横を通り抜ける。
だが、すぐにハンジさんの腕が私を捕まえる。
「いやいやっ、聞いてよっ!」
「いやですよっ!ハンジさんがそういう顔をしてるときは、
絶対に、絶対に、良からぬこと考えてるときなんですからっ!!」
私は必死にハンジさんの手を振りほどこうとする。
でも、力の強いハンジさんの手ははなかなか離れない。
「へぇ、さすが、入団してすぐにハンジの班に入っただけあるね。
よくわかってる。」
冷静にナナバさんが頷いている。
「考えてないからっ!!ちょっとしかっ!!」
「ほらっ!!考えてるじゃないですかっ!!」
「お願いだよっ!!今からもう一回、あのドレス着てくれ!!」
「…っ!!」
良からぬこと過ぎすぎて、私はタオルで自分の顔を隠した。
ついでに、耳も聞こえていないことにした。
私は今から、今日の合同訓練についての報告書を出す予定なのだ。
自分が受け持ったグループの兵士達の評価や改善点などを細かく各箇所がたくさんあって、非常に面倒くさそうだった。
「おやすみなさい。」
私は何も聞かなかったことにして、彼らの横を通り過ぎた。