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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第75章 ◇第七十四話◇好きすぎて、大嫌い【恋の行方編】


「ちょっとどいてよっ!」

シャワー室を出た途端、思いっきり肩を押された。
びしょ濡れだったから、早くシャワー室に入りたかったのだろう。
それにしてもー。

(そんなに痛いくらいに押さなくてもいいのに。)

痛かった肩を擦りながら、廊下に出た。
肩に乗せたタオルで髪の毛を拭きながら、自室に向かう。
傘も差さないで雨に打たれたせいで冷え切った身体は、熱いシャワーを身体中に浴びたところで温まることはなかった。

(ジャン、風邪引かなかったらいいけど…。)

私と同じようにびしょ濡れになったジャンのことが気になったけれど、大丈夫かと声をかけることは出来ない。
まさか、ジャンが自分のことをそんな風に想ってくれていたなんて、知らなかった。
気づかないで、ジャンにリヴァイ兵長への気持ちを伝えて、相談のようなものをしていたなんてー。

(最低だ…。)

自己嫌悪に襲われて、ため息を吐いた。
ほんの一瞬、ジャンにキスされながら、このまま新しい恋に逃げるのもいいかもしれない―と思ってしまった。
いや、きっとその方が良かったんじゃないかと今でも思う。
そうすれば、リヴァイ兵長のことを本当にただの上司として見ることが出来るし、私は苦しくない。
ジャンを傷つけることもない。
それなのにー。
私はジャンの胸を突き飛ばしていた。
自分でも驚いて、ジャンも驚いていて、そして、目が合ってー。

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