【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第67章 ◇第六十六話◇ただの上司と部下【恋の行方編】
「本当にそれでいいの?」
心配そうにペトラが言うそれが、厩舎で会ったジャンと重なった。
就寝前、今日は一緒に寝ようと私の部屋にやってきたペトラは、とても良い話が聞けるのだとワクワクしている様子だった。
そして、広いとはいえないベッドに2人で並んで入って、私の話を聞いた後、悲しい顔をした。
「ジャンにも言われた。」
ふふ、と思わず笑って、そして悲しい顔を誤魔化す。
どうしてジャンが知っているのかと訊ねるペトラに、さっき厩舎で偶然会ったことを教えてやる。
あの夜から、ジャンはまるで弟みたいに私の心配をしてくれていると思う。
変なことをしてしまって、怖い思いをさせたのにー。
「私は、間違ってると思う。」
ペトラは天井を見ながら言った。
「そう、かな?ずっと避けられてるより、全然いいよ。」
私はペトラを見ながら言う。
強がりかもしれなかった。
リヴァイ兵長が迷惑なら忘れるーとは言ったけれど、今すぐなんてやっぱり無理で、気持ちを誤魔化して、消したフリをするので精一杯だ。
それでも、あの冷たい背中を見せられるくらいなら、これくらいの胸の痛み、どうってことない。
それは、嘘じゃない。
「本当に、後悔しない?」
「え?」
「私達はいつ死ぬか分からない。だから、私は自分が後悔しない方を選んだ。
それで自分が傷ついても、自分が選択した結果だから受け入れられた。」
そこまで言うと、ペトラは、私の名前を呼んで、私の顔を見た。
真っすぐな瞳は、見覚えがあった。
リヴァイ兵長のことが好きだーそう言ったときと同じだ。
自分の気持ちを誤魔化すことばかり考えていた私が、真っすぐに見返すことが出来なかった強い瞳。
だから、今の私も、私は彼女の瞳を真っすぐに見られない。