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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第66章 ◇第六十五話◇ブランケットの恋よ、さようなら【恋の行方編】


しばらく待ってみたけれど、リヴァイ兵長は去っては行かない代わりに、私が一番知りたい答えは教えてはくれなかった。
一度目を伏せ、また顔を上げて、私はもう一度口を開く。

「私の気持ちが、リヴァイ兵長にとって迷惑なものなら、忘れてください。
 リヴァイ兵長を困らせるものなら、私も要らないです。ただ…、今までみたいに普通に…、
 ただの上司と部下でいられたら、私は、それだけでいいから…。」

だからー。
一緒にいたい、触れてみたい、触れられたい。
一緒にいる誰かを作らないで、誰にも触れないで、誰にも触れられないで。
底のない願いが私を押し潰そうとするけれど、でも、私が本当に欲しいのはそんなものではない。
そんなものではないのだと、気づいたから。
私はただ、リヴァイ兵長がそこに存在してくれるだけでいいのだ。
そして、願わくば、その人生のほんの僅かな時間でいいから、私を瞳に映してくれたら嬉しい。
それが、ただの部下という関係だって構わないのだ。
無視されるより、存在をないものみたいにされるよりは、全然いい。
だって、私はリヴァイ兵長に気持ちの見返りを求めているわけではないからー。

「もしも…、リヴァイ兵長が、また、ただの上司と部下に戻ってもいいと思ってくれるなら、
 こっちを向いてください。もし、リヴァイ兵長が立ち去るなら、今度こそもう諦めます。
 もう二度とリヴァイ兵長に声をかけないし、会わないように努力します…。」

リヴァイ兵長が来るまで、星を見上げながら一生懸命に考えた台詞を、私は震える声で、なんとか告げた。
本当は叫びたい。
行かないで、こっちを向いて、と。
傷つけられてもいいから、本当のことを言って。嫌いなら、そう言って、と。
でも、これ以上、嫌われるのは怖い。
リヴァイ兵長を困らせたくない。
だから、これは、私に出来る精一杯だった。
動かない背中が出す答えを、私はじっと待った。
どれくらいそうしていたのか分からない。
すごく長かったのかもしれないし、意外とすぐだったかもしれない。
ゆっくりと、リヴァイ兵長の背中が答えを教えてくれた。

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