【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第62章 ◇第六十一話◇閉じるしかなった心の扉【恋の行方編】
久しぶりだとアニに声をかけてきたライナーとベルトルトを思い出した。
最近よく声を掛けられるようになったけれど、いつも壁外調査や巨人の実験のことを話していて、プライベートな話はしたことがない。
彼らもまた、巨人に大切な故郷を奪われ、そして調査兵団に入ったのか。
この世界に住む誰もが、巨人によって苦しい思いをしているのかもしれない。
「じゃあ、ライナーとベルトルトも一緒に故郷に帰りたいね。」
「そうだね。アイツらも故郷に帰るために頑張ってる。
だから、絶対に帰りたい。みんなで、絶対に。絶対に。生きて…!」
決意を確かめるみたいに、アニは自分の拳を握りしめる。
瞳にまで力が入って、震えるその拳は、爪が食い込んでしまうんじゃないかと心配になるほどで、私は思わず自分の手で優しく包み込んだ。
「大丈夫。ライナーとベルトルトは筋がいいっていつも言われてるし、
アニも頑張ってる。だから、ちゃんと帰れるよ。」
「…うん。」
頷いたアニは、自分の手を包む私の手から逃げるように話題を変えた。
「ねぇ、アンタってなんで調査兵団に入ったの。
前に言ってたよね、自分は訓練兵団を経てないって。
それって、民間人からいきなり調査兵団に入ったってことでしょ?」
「元々は家族のためだったんだけど、今は自分のためかなぁ。」
「アンタもあのバカみたいに巨人を駆逐したいってこと?」
「まぁ、巨人にはいなくなってほしいけど、
それよりも私はただ、生きている限り、大切な人達のそばにいたいだけかな。」
「生きてる限りって、調査兵団の兵士なんかしてたらすぐに死ぬよ。」
「仕方ないよ、一緒にいたい人達が命を懸けて戦ってる調査兵団の兵士なんだもの。
だから、私も一緒に戦うの。そして、私が死んでも、
みんなが幸せに生きている世界が来るために、心臓を捧げるの。」
私の答えを聞いたアニは、小さく「そう。」と呟いて目を伏せた。
どうしたのだろう。
やっぱり、今日のアニはどこか様子がおかしい。
何か、思いつめているようなー。