【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第62章 ◇第六十一話◇閉じるしかなった心の扉【恋の行方編】
部屋に行く前に調査兵団の兵舎を見て回りたいというアニの要望で、まずは兵舎の中を色々と案内した。
初めて調査兵団の兵舎にやってきたとき、自分もこうしてハンジさんに案内してもらったのが、とても昔のことのように思える。
あのとき、本当は不安で怖くて仕方がなかったのが嘘のように、私は笑顔でこうして兵舎の中を歩き回っているのだから、不思議なものだ。
「アニじゃねぇか。お前、こんなとこで何やってんだ?」
「本当だっ!久しぶりだねっ!アニっ。」
「2人とも私服だけど、非番?」
食事室そばで声をかけてきたのは、ジャンとアルミン、ミカサだった。
訓練に使った道具の片づけに時間がかかり、昼食が遅くなり今の時間になってしまったらしい。
「アニが調査兵団のー。」
「の部屋に行こうとしてるだけ。
行こう、。」
話はしたくないという様子で、アニは私の腕を無理やり引っ張った。
久しぶりに会った同期に冷たい態度のアニに、ジャンが文句を言っているけれど、振り返る気はなさそうだ。
「午後の訓練も頑張ってね!」
私は後ろを振り返って、彼らに手を振る。
ジャンは気に入らないという顔をしていたけれど、アルミンは苦笑で手を振り返してくれた。
ミカサは興味もなさそうにどこかほかの方を見ていたけれどー。
「そんなに早く私の部屋が見たいの?
可愛いね、アニ。」
クスクスと笑う私をアニがチラリと見て、ため息を吐いた。
「お気楽でいいね、アンタ。」
「そう?そうでもないけどな~。」
私の顔を見て、アニはやっぱり、ため息を吐いた。