【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第59章 ◇第五十八話◇眠り姫と不器用な王子様【恋の行方編】
馬車が兵舎の門前に到着した。
エルヴィンが降りた後に続く前に、ナナバは、まだ眠っているの肩を揺する。
「着いたよ。起きて。」
「ん~。」
何度揺すっても、小さく唸るような声が漏れるだけで起きる気配はない。
「ねぇ、っ。起きて、部屋に戻ってから寝ようっ。
あと少しだから、起きー。」
「そのままでいい、連れて出せ。」
馬車の降り口からそうやって声をかけたのは、さっき降りたエルヴィンではなく、リヴァイだった。
どうやら、帰りを待っていたらしい。
自分の兵団の団長のお帰りを待っていたのか、それともー。
下世話なことを考えようとした思考を止めて、ナナバはの背中と膝の裏に腕を入れて抱きかかえた。
結構大きな動作だから、これで起きるかとも思ったが、ナナバの腕に無防備に身体を預けるが起きる気配はなかった。
「あれ?、寝ちゃったの?」
「あんな場所は初めてでしょうから、気疲れですかね。」
を抱えて降りてきたナナバを見て、リヴァイと一緒に待ってくれていたらしいハンジとモブリットが口々に言う。
今夜は出迎えが多いのは、いきなりドレスを送りつけてきた貴族の言いなりになって部下を生贄にしてしまったという自責の念からか。
「帰り着くまでには起きると思ったんだけどね。
むしろ、起こそうとしても起きなかったよ。」
ナナバは、困ったような笑みを浮かべる。
本当にとても疲れたのだろう。
変な因縁までつけられて、それでも調査兵団に迷惑をかけたくない、と自分を犠牲にしようとまでするのだから、たいしたものだ。
も調査兵団の未来を想う立派な調査兵のようだ。