【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第57章 ◇第五十六話◇不穏のはじまり(上)【恋の行方編】
お前はダメだと暗に言われているのを嫌でも理解して、私は、ドレスを握りしめて、下を向く。
「リヴァイ、どう考えても今ここで適任はだと思うのだが、
お前はそうは思わないということか。」
エルヴィン団長が声をかけると、ゆっくりとリヴァイ兵長が振り返った。
そして、エルヴィン団長の隣に立つ私をチラリと視界に入れた後、やっぱり顔を歪める。
「あぁ、ハンジじゃなけりゃ他のでもいい。
それよりはマシだ。」
私の方を見ようともせず、挙句の果てには『ソレ』呼ばわりだ。
ドレスを脱ぎたいとも、行きたくない、とも言う勇気もなくなって、私はただリヴァイ兵長の視界に入らないように消えてしまいたいと願った。
「ダメだ。」
「なぜだ。他のでもいいだろ。」
「悪いな。
もうシャイセ伯爵にもという兵士が向かうと連絡してしまった。」
エルヴィン団長は勝手にそんなことを伝えていたらしい。
もう逃げ場はないのかーと思った私の目の前で、リヴァイ兵長がこれでもかというほどに苛立った様子で舌打ちをした。
そしてー。