【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第54章 ◇第五十三話◇気づかれない思惑【恋の行方編】
でも、意味の分からない誤解をされるのだけは嫌だった。
訝し気に私の目を見るリヴァイ兵長は、信じていないように思えた。
だから私はー。
「だって、昔の恋人が私の好きなタイプとは限らないでしょう?
もし、昔はそうだったとしても、今がそうだとも限らないですよ。」
私がそう言うと、リヴァイ兵長の眉がピクリと動いた。
確かにそうだと思ってくれたのかもしれない。
だから、私はー。
「私は、口は悪くても、目が怖くても、優しく微笑むなんてしてくれなくても、
私がツラいときにそばにいてくれて、私の悪いところは悪いと叱ってくれる
そんな人が好きです。」
真っすぐにリヴァイ兵長の瞳を見て伝えた、今の私の精一杯の心。
視線を斜め上に向けたリヴァイ兵長には、全く届かなかったみたいだ。
「そんなやついねぇだろ。」
本気で言うリヴァイ兵長が可笑しくて、本当はとても悲しくて、声を出して笑った。