【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第54章 ◇第五十三話◇気づかれない思惑【恋の行方編】
「でも、最近、あのベルトルト?って男の子は、よくの隣にいるよね。
好きなんじゃないの~?付き合ってあげたら?」
ニヤニヤした顔で、ペトラが私の脇腹をつつく。
「そんなわけないでしょ。16歳だよ?子供だよ。
それに、ベルトルトもライナーも、そういうんじゃないから。」
反論しながら、悪戯なペトラの手をつかまえようとする私をうまくかわし、ペトラは続ける。
「子供だって、立派な兵士なんだから一人前の男だよ。
それに、恋に年齢なんて関係ないのよ。ね?オルオ?」
「あ?まぁ、そうだな。
男は女の前では、年齢関係なく男になるもんだぜ。」
「あ…。」
ペトラもマズいと思ったらしい。
だが、もう遅い。
オルオの何気なく放った一言は、私の心臓にグサリと刺さった。
思わずふらついて倒れそうになる私をペトラが受け止める。
「ごめん、オルオ。今のはの前では禁句。」
「悪かったな、。口が滑ったぜ。」
「その口、私が縫いつけてやろうか…!」
睨みつける私に、オルオがヒーッと悲鳴を上げる。
そんなに私は恐ろしい顔をしていただろうか。
そういえば、さっきもライナーに引かれていたなー。
「あ、すみませんっ!リヴァイ兵長!いつまでも荷物持たせたままでしたっ!」
荷物を抱えているリヴァイ兵長のことを忘れていた。
小柄なリヴァイ兵長が、エルドとグンタの陰に隠れていたせいではない。決して。
ペトラがおかしな冗談を言い出して、オルオが口を滑らせたせいだ。
「これくらい俺だって持てる。」
「いえ、別にリヴァイ兵長には重たくて持てないと思ったわけではなくて…。
部下の荷物を持たせてしまって申し訳なく思って謝ったんですよ。」
違う方向に不機嫌になってしまったリヴァイ兵長にもう一度謝罪して、私は荷物を受け取ろうと手を出した。
だが、リヴァイ兵長は私に背を向けて歩き出してしまう。