【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第54章 ◇第五十三話◇気づかれない思惑【恋の行方編】
お互いにお目当ての本は手に入れたので、話しながら図書室を出る。
「昔の恋人ってどんな人だったんですか?」
「さっき、ベルトルトに似てるなぁって思ってたところだよ。」
「僕ですか?」
「うん、優しくて穏やかな人だったから。
ベルトルトみたいに背も高かったしね。」
「僕は背は高いですけど、性格は…優柔不断なだけですよ。」
「優柔不断なの?」
謙虚なのか本気なのか。
自分の良さを気づいていないベルトルトが可愛くて、私はクスリと笑った。
「あれ?リヴァイが図書室にいるなんて珍しいね。」
「エルヴィンに会議の資料として本を探してほしいと頼まれた。」
「なんだか、私とみたいだね。
それで、もここにいたと思うんだけど、知らない?」
「さぁ。見てねぇな。」
「あれ~、すれ違いかな?」
図書室を出てすぐ、私を探しに来たハンジさんとリヴァイ兵長がそんな会話を交わしていたなんて、知らなかった。