【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第53章 ◇第五十二話◇臆病者の夜【恋の行方編】
馭者によると、運よく馬は無事なのでまた馬車として走ることは出来るそうだ。だが、壊れた車輪の修理は明るくなってからでないと出来ないため、出発は明日の朝ということになってしまった。
それでも、馬車が横転した場所の近くに小さな宿屋があったのは、不幸中の幸いだったに違いない。
空いている部屋が、1部屋しかなかったことを覗いてはー。
部屋が足りず、馭者はこの宿屋の主人の部屋に泊まらせてもらえることになったが、私とリヴァイ兵長は同室になってしまった。
どの部屋に泊まるにしても、私は誰か男性と泊まらなければならない状況で、リヴァイ兵長と一緒の部屋になるのは必然だった。
だから、リヴァイ兵長が入っているシャワールームの音にドキドキしながら、私は窓際の1人掛けのソファに座って、一心に濡れた髪をタオルで乾かしている。
さすがにシャワーの後に今日一日中着ていた服に着替えるのには抵抗があって、脱衣室に用意してあったルームウェアを借りた。薄いシャツとズボンだけだと、身体のシルエットが隠せずに恥ずかしかったので、ガウンも羽織っている。
本当は、上官から先にシャワールームに入ってくれとは言ったのだが、女性が先だとリヴァイ兵長に断られた。
意外にもレディーファーストなところがあったらしい。
綺麗好きなリヴァイ兵長は、ゆっくりシャワーを浴びるのだろうと思っていたのだけれど、あっという間に出てきて驚いた。