【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第49章 ◇第四十八話◇ポジティブシンキング【恋の行方編】
私が驚いた理由は2つだ。
オルオが私達の気持ちに気づいていたということ、もう一つは、私がリヴァイ兵長を好きだと知っていたくせに、オルオが私のことをフッたということだ。
「いいか、。お前は必ずリヴァイ兵長を落とせ。命令だ。」
突然、椅子から立ち上がったかと思ったら、オルオは私を見下ろし、顔の前に人差し指を突き付けた。
「命令って言われても…、ただの片想いだし、
私なんかがリヴァイ兵長みたいな人に好きになってもらえるわけないし…。」
自分で言って悲しくなって、私は項垂れる。
そう、これはただの片想いで叶うはずのない恋だ。
だって、相手は人類最強の兵士で、ライバルなんてたくさんいる。
リヴァイ班に所属していて、可愛くてモテるペトラのことばかり気にしていたけれど、最初から恋敵は彼女だけではなかったのだ。
どうしよう。今、気づいた。
「まぁ、確かに。リヴァイ兵長のような最高にカッコいい男が、
ペトラならまだしも、お前みたいなひよっこに骨抜きにされる姿なんて想像は出来ん。」
オルオの言う通り過ぎて、胸が苦しい。
私は自分の心臓をおさえた。
「…オルオは、私の息の根を止めに来たの?」
「無視無視。」
ペトラに助けを求めたが、手で払う仕草をして無視を強調する。
オルオに関して、ペトラはプロだと思う。
ハンジさんにとってのモブリットさんみたいだーと言ったら、彼らは怒る気がしたから黙っておこう。
「だが、お前はなかなか良い仕事をした。」
「仕事?」
「その調子で頑張りたまえ。」
「…?ねぇ、オルオは何の話をしてるの?」
「勝手に言わせておくのが一番だよ。」
「…そうね。」
意味が分からなかったけれど、オルオが意味不明なのはいつものことだし、放っておくことに決めた。
とりあえず、よくわからないが、応援はしてくれているらしいーということで無理やり納得することにする。
とにかく、さっきまではオルオが気になって遠慮していたのだが、彼が私達の気持ちを知っているということなら、話しやすくなった。