【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第48章 ◇第四十七話◇自由な兵士【恋の行方編】
「ずっと聞きたかったんだけどさ。」
書類の確認に時間がかかると思ったのか、ハンジはソファに腰を下ろした。
「何だ?」
視線は書類に落としたまま、エルヴィンは訊ねる。
「って兵士は死んだ、そう言ったよね?」
「あぁ、言ったな。」
「じゃあ、どうしてが調査兵団に戻ってこれるように
エルヴィンが手を回してたのか、いろいろ考えてみたけど、全く分からなかったんだ。
は帰ってくるって確信でもあったの?」
どうやら、巨人のこと以外でも気になることがハンジにもあったらしい。
書類の上に並ぶ文字を追いかけるエルヴィンの脳裏に、壁外調査目前に突然執務室にやってきた意外な来訪者の姿が蘇る。
『エルヴィン団長にお願いがあります。』
自分が所属する兵団のトップを前にして、臆することもなく、堂々とした敬礼。
意志の強い眼差し。
ハンジはの実力をかっているようだったが、そのときのエルヴィンには、ルルの方に希望の光を見た。
少なくとも、どこか不安定で危なっかしい印象のよりも、ずっと兵士らしかった。
彼女の実力は、ミケも認めていたくらいだ。
「いや、言っただろう。
私は、という兵士は死んだとそう信じていたよ。」
「それならどうして?!」
ソファに座ったまま、ハンジは身体を前のめりにした。
気になって仕方のない性格にプラスして、可愛がっているのことだから余計気になるのだろう。
エルヴィンは書類から顔を上げて、話し出す。
「君達と同じさ。」
「私と?」
「私は、ルルに言われたようにしただけだ。」
「ルルに?」
「壁外調査前に私のところに来たルルが言ったんだよ。
もし、自分が死んで、が調査兵団を辞めたいと言い出したら、
絶対に引き留めないで辞めさせてやってくれと。」
あのとき、ルルは真剣な顔でそんな話をするから驚いた。