【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第42章 ◇第四十一話◇まだそばにいたい【調査兵団入団編】
「どうぞ、これを飲むとよく眠れますよ。」
久しぶりにちゃんと見たリヴァイ兵長の顔は疲れていて、寝不足なのか深い隈が出来ていた。
壁外調査から戻って、報告書なんかの書類がたくさん舞い込んできているのかもしれない。
だから、疲れと眠りによく効くという紅茶の葉を選んだ。
リヴァイ兵長は、何も言わずに紅茶を受け取った。
飲んでほしくて作ったのだけれど、それを口に持っていくことはせず、リヴァイ兵長はテーブルの上に置いてしまった。
でも、それも仕方がないと思う。
自分の殻にこもって、リヴァイ兵長が命を懸けてルルを助けたことを知ろうともしなかった私への罰だー。
「どこへ帰るんだ。トロスト区の実家にはまだ帰れないんだろ。」
「エルヴィン団長が、ストヘス区にいる家族の元へ帰ってもいいと言ってくれて。」
「それはよかったな。」
「はい、エルヴィン団長が懇意にしている貴族の方がとてもよくしてくれていて、
家族もそのままストヘス区にいてもいいと仰ってくれてるらしいです。」
「そうか。」
話している間も、リヴァイ兵長は決して私の方は見なかった。
ただじっと紅茶に視線を落とし、そのまま話が途切れてしまった。
リヴァイ兵長は何かを話すつもりはないようだし、むしろ、早く部屋を出て行ってほしそうだった。