【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第41章 ◇第四十話◇それぞれの眠れない夜【調査兵団入団編】
月灯りがぼんやりと闇夜を照らす。
カーテンを閉め切った薄暗い部屋で、ベッドの縁に腰かけて座るは、今夜もろくに眠ることが出来ずにいた。
眠っても、あの日のことを夢に見て魘されて、ルルの名前を叫びながら目を覚ますのを繰り返すから、起きている方が楽なのかもしれない。
無理やり寝かさなくていい、眠りたくなったら薬を飲ませてやってくれと医療班の兵士に言われているから、ペトラももう無理やりベッドに寝かそうとはしていない。
だから今夜も、あれだけ星を見上げていたが、虚ろな目で、ただぼんやりと自分の膝を眺めるだけ。
帰還した日からずっと、そうやっての夜は過ぎていく。
「ルル、お父さんとお母さんのところに帰れたんだね。」
から喋り出すのは初めてだったから、驚いた。
でも、弔い式の後、作戦会議室でもは初めて自分の気持ちを吐露してくれた。
あのときのリヴァイ兵長の行動が、彼女の心に何かしらの変化をもたらしたことは確かだろう。
「やっぱり、気づいてなかったんだね。」
困ったようにペトラは言っての隣に腰を下ろすと、あの日、リヴァイがを抱えて戻ってきてからのことを話して聞かせた。
あのときから止まっているの時間の続きを教えて、少しでもその時計が動き出せばいい、そう願ってー。