【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第41章 ◇第四十話◇それぞれの眠れない夜【調査兵団入団編】
「あぁ…、そうだな。そうかもしれねぇな。」
僅かに目を見開いた後、リヴァイは自嘲気味に口を歪めた。
どうして、そんな顔をするのかは分からなかったけれど、彼も又、のことを同じように感じていたのかもしれない。
そして今、ペトラの言葉で、その正体に気づいたようだった。
「兵士としてではなく、と出逢いたかったです。
…みんなと、もっと普通に。普通に出逢いたかった。」
不意に漏れた本音。
そうだ、これが一番しっくりくる。
が兵団を去ると聞いた時、最初に嫌だと思ったのは、人類にとって損失になるとかそんなことのためじゃない。
ただ、と離れるのが寂しかっただけ。
一緒に、まだ一緒にいたかっただけ。
それは、だけに限ったことではない。
兵舎で一緒に生活しているみんなが大切だ。ずっとずっと、一緒にいたい。
生きていたい。
「あぁ、おれもだ。」
遠い目をするリヴァイも、みんな同じ。
こんな世界でなければ、こんな苦しみはなかったのに。
でも、こんな世界に生まれてしまったから、抜け出そうと必死に戦うしかない。それが、どんなにつらくともー。
「には、綺麗なままでいてほしいから。
仕方ないかなって思います。寂しいけど、もうこれ以上は苦しんでほしくないし。」
「そうだな。あれだけエルヴィンに食い下がったハンジも、
さっきのを見て、考え直しちまったみてぇだ。」
困ったように笑うペトラに、リヴァイの言葉はそう続いた。
ずっと先の廊下を歩いているハンジとの後ろ姿を視線で追いかけるリヴァイは、もしかしてー。
「リヴァイ兵長は、は兵団を去るべきじゃないと考えてるんですか?」
ペトラの質問に、リヴァイは答えなかった。
その代わり、意外な行動をとった。