【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第39章 ◇第三十八話◇仇【調査兵団入団編】
ルルの死を両親に報告に行ったのはナナバだったはずだ。
もしかしたら、両親に訊ねられてルルの最期を報告することもあったかもしれない。
でも、のことはうまく伏せて話すくらいの器用さはある。
それならどうして、の名前まで知っていて、ルルを殺したのがとだ思っているのか。
その答えは、すぐにモブリットが教えてくれた。
「どうやら、兵士達がヒドイ噂話をしているのを聞いてしまったようなんです。
それで、式の途中でに会わせろと…。
何とかここまで連れてきて、それは出来ないと何度も伝えたのですが。」
すまなそうにモブリットが首を垂れる。
仕事の出来る彼もお手上げ状態のようだ。
人の感情、しかも親という無償の愛を前にすれば、きっと誰だってそうなる。
「彼の言う通りです。
に会わすことは出来ません。」
「何を言ってるッ!!うちの娘を殺しておいて、謝りにも来ないとはどういうことだ!!??
今すぐここに出せッ!!!!」
「どうしてよ!!!謝るくらいしてくれたっていいじゃない!!!!」
ルルの両親はさらに怒りを募らせ、ハンジに怒鳴り散らす。
さっきまで自分の非をすべて認め頭を下げていたハンジにまで拒絶されるのは想定外だったようだ。
永遠に治まらないような激しい怒りに身を任せを出せと繰り返し叫び続けた彼らの声が、弔い式に参加している兵士や遺族にも届いていたことに、なんとか彼らの怒りをおさめようとしていたハンジ達は気づかなかった。
そして、それに気づいた時には、もう遅かった。
「・は、私です。」
の声を、久しぶりに聞いた気がした。