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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第36章 ◇第三十五話◇無情にも届かない手【調査兵団入団編】


「ルル!何かあったの!?」

すぐに立ち上がり、やってきたルルに訊ねた。

「問題発生!!作戦中止!!」

私が立つ木の上に降り立ったルルはそれだけ言うと、木の幹に手を添えて息を整え出す。
かなり急いでやってきたようだ。
少し待つと、ルルが何が起こったのかを教えてくれた。
どうやら、エレンの巨人化に問題が発生したようだ。
ここ連日続いていた巨人化によって、エレンの身体が限界を迎えていたようで、いつもなら15m級の巨人になれるところを7m程にしかなれず、しかも、巨人化したにもかかわらずエレンの下半身がうなじからむき出しになっていたらしい。
なかなか興味深い状態だ。見てみたいと思ってしまったことは、ここは黙っておくことにする。
なんだか、ただ事ではないようだしー。

「そもそもなんでエレンが巨人化したの?
 巨人化は私達が来るまでしないって約束だったのに。」

私は、最初に抱いた疑問を訊ねた。

「それが分かんないの。」
「分かんない?」
「たぶん、エレンが意識してないで巨人化したんだろうって、ハンジさんは言ってたよ。
 前にも実験のときにこんなことがあったらしい。」

想定外というわけでもなく、ハンジさんも把握していた状況ということのようだ。
それなら、そこまで焦るようなことではないのではないかとも思ったが、それについてもすぐにルルが説明してくれた。
これもおそらく連日続いた巨人化の影響だと思われるが、エレンの身体が巨人化した身体とキツく繋がってしまったらしい。
今、ハンジさんとモブリットさん達が必死に引き剥がしているがなかなか剥がれず、さらにそこに巨人化したエレンに引き寄せられたのか多数の巨人が襲来。
エレンのことはハンジ班に任せ、リヴァイ班が巨人の討伐をしているということだった。

「急にエレンが巨人化して、みんな動揺しちゃって煙弾送れなかったの。
 ごめんね。今、リヴァイ兵長も一緒に巨人討伐してくれてる。
 私は、への報告と支援をリヴァイ兵長に指示されて、やって参りました!」

冗談っぽく敬礼ポーズをしたルルが、ニッと笑った。
このまま作戦中止になって、リヴァイ兵長も戻ってこなかったら、4体残った巨人をどうしようか、と心配していたのだ。
ルルが来てくれたのなら心強い。
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