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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第34章 ◇第三十三話◇酔っぱらいの願い【調査兵団入団編】


壁外での朝は早い。
夜になって動きが鈍くなっていた巨人が、太陽と共に動き始めるからだ。
夜明け前の薄暗い時間には、準備を始めて出発しておく必要があるのだ。
でも、真夜中にお酒を呑んでいた私は、姿が見えない自分達をハンジさん達が探していることも知らずにぐっすりと眠って、幸せな夢を見ていた。
それは、いつもの幸せな夢と少しだけ違っていた。
地平線の向こうまで続く大きな湖が見える丘に建てられた家、そこで私は暮らしていた。
それは、木で出来た優しい温もりのある家で、あまり大きくはないけれど、私はとても好きだった。
空に昇る眩しい太陽の光が窓を覗くと、決して大きいとはいえないベッドで眠る私に朝を教えてくれる。
でも、眠り足りない私は、一緒に眠る誰かに抱き着いて『もうちょっと。』と甘える。
そうしたら、その誰かは、小さくため息をつきながらも私を優しく抱きしめ返してくれて、もう一度、眠りにー。

「起きろ。」
「んー…、もうちょっと。」
「死ぬほど聞いたんだが。
 お前のちょっとはおれの知ってるそれとは違ぇらしい。」
「んー。」

そろそろ起きた方がいいのだろうか。
下の方から、誰かの話し声も聞こえてきているし、みんなも起き出したようだ。

(下…?でも、リヴァイ兵長の声は上から…。リヴァイ兵長?)

ゆっくり目を開こうとして、眩しい太陽の光に思わず目を瞑った。
ついでに、お気に入りの枕に抱き着いて、違和感を覚える。
なんか硬い。
それに、昨日から壁外調査に来ていて、枕なんて持ってきていない。
そもそもお気に入りの枕は、実家に置いてある。
嫌な予感がして、私はもう一度、そっと目を見開いた。
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