【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第32章 ◇第三十一話◇壁外調査初日の洗礼【調査兵団入団編】
「どういうこと!?」
猛スピードで走るテュランになんとか並走し、ルルが叫ぶように訊ねる。
鬼気迫る私の様子に、ただ事ではないことだけは理解しているようだった。
「先輩たちは、最後の力を振り絞って戦ったんじゃない。
巨人を見送ったのよ。追いかけられなかったから。」
「な…!?どういうことよっ!先輩たちは・・・、え?!見送ったって!?」
「緊急事態の煙弾の後に撃たれた作戦遂行不能の煙弾。
あれは、先輩兵士が最期の力を振り絞って撃った右翼後方へのメッセージ。」
「…何てメッセージ?それは…、テュランが辿ってる足跡に関係があるの。」
ルルがゴクリ、と息を呑む。
「逃げて…!お願い、みんな、逃げてて…っ!!」
勇敢な死を迎えた彼らの魂が乗り移ったように、私はひたすら繰り返した。
散らばる命の残骸と幾つも空いた大きな穴、そして、そこから続く幾つもの巨人の大きな足跡ー。
「確認できた穴は7つ。先輩が倒してくれた2体を除いて
少なくともあと5体はいる。この足跡の向こうに…!」
「急ごうっ!!」
私たちは、出来る限り以上の最高速度で向かった。
今度こそ、仲間を助けるためにー。