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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第31章 ◇第三十話◇悲しいくらい健気な願い【調査兵団入団編】


塔の最上階、扉を開けたリヴァイ兵長は、そこで待っているのがペトラで驚いただろう。
その後、彼の心を支配したのは、どんな感情だろう。
そこにいるのがペトラで嬉しかっただろうか。
それとも、私ではないと分かって、残念だと思っただろうか。
相当な鈍感でない限り、あんな誘い方をすれば、大切な話が何なのか予想出来ただろうから。

『気持ちを伝えたいからって誘って欲しいの。』
『そんな風に言ったら、告白だって分かるんじゃないの?』
『それでいいの。』
『よくないよ!だって、私が…告白すると思われるよ。 
 ペトラは、いいの?』
『それでいいの。には、悪いけど。
 リヴァイ兵長には、告白されてもいいかを判断してもらいたいから。』
『告白されてもいいか?』
『壁外調査前に、誰かに気持ちを伝えられるのって、結構重いんだよね…。
 私も経験あるから分かるんだけど。こっちの気持ちの準備もないときに
 自分の気持ちだけをぶつけられたらツラいっていうか…。』

ペトラの言っていることは、なんとなく分かる気がした。
相手の重荷になりたくないからと気持ちを伝えずに死んでいった兵士達も、きっと同じだろう。
自分の想いは伝えたいけれど、重荷にはならないように精一杯の配慮をしたペトラと、重荷を背負う覚悟をして約束を受け入れてくれただろうリヴァイ兵長。
2人は優しくて、強くて、お似合いだー。
でも、私は、ペトラにもリヴァイ兵長にも嘘をついて、そしてー。

(いやだ…。2人が恋人になるなんて、いやだ…。)

頭と心がついに気持ちをひとつにしてしまって、どうしようもない現状を嘆いた唇が、自分に噛みつく。
告白はもう終わって、部屋に戻っているだろう。
2人は今夜、どんな夢を見るのだろう。
願わくば、あぁー。
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