【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第29章 ◇第二十八話◇友人の応援【調査兵団入団編】
「リヴァイ兵長にキスされたーーーーーっ!?!?!?」
目をこれでもかというほどに見開いて、驚きすぎて叫び出したルルの口を慌てて両手で塞いだ。
「ちょっとっ、声が大きいよっ!
それに、されたかも!だってばっ。」
私は、今日の散歩であった出来事をルルに全て話した。
キッチンでのペトラとのことは勘違いだと言われたこと、それがすごく嬉しかったこと、キスを、されたかもしれないこと―。すべてを。
「寝込みを襲われたってことね。
リヴァイ兵長も男だったのね。やるわね。」
「だから、違うってばっ!」
「はいはい、照れなくていいから。」
「そうじゃなくてっ。とにかく、私も寝ぼけててわかんないし。」
「でも、手は繋いでたんでしょう?」
「手は…うん、繋いでた。なんでだろう…。」
「それはもうね、リヴァイ兵長がね。」
ムフフと悪い妄想に取りつかれているようにしか見えないルルは、人の話も聞かないで、本当に楽しそうに盛り上がっている。
私も、今夜は、楽しい恋の話になると思っていた。
「で、そんなことがあったのに、どうしてそれが
好きになるのをやめる宣言に繋がるわけ?」
「それは…。」
私は、談話室でのペトラとの会話をルルに教えた。
確かにあのとき、ペトラは、キスをしようとしていたのだと言った。
目に入ったゴミをとってあげていただけだと言ったリヴァイ兵長。
冗談だと誤魔かしはしたものの、キスをしようとしていたと言ったペトラ。
どちらが事実なのかは分からない。
でも、なんとなくだけれど、2人は私が思ったような恋人同士というわけではないような気がする。
何かのすれ違いが2人の間にあるのかもしれないけれど、それは私が考えることではない。リヴァイ兵長とペトラの問題なのだ。私は外野だ。
「でも、だからってどうして、がリヴァイ兵長を諦めないといけないの?」
「別に諦めないといけないとかじゃないんだけど。」
「じゃあ、なに?」
「前に、ハンジさんに聞いたことがあるの。
ペトラが私を助けようとしてくれていたって。」
「助けようと?」
「実際に、悪口を言われてるときに、助けてもらったこともあるの。」
ルルも知っている通り、私は調査兵団の中で異例の新兵として浮いた存在だった。
良くない噂が流れていることも知っていたし、面と向かって悪口を言われたこともある。